2023.3.17
【TABLE WARE】、 【その他】

日本でのモノづくりを見直す



サラグレースは、商品のほぼ9割がたを海外の輸入品が占めています。

若い頃海外で暮らして来た経験が長かった私は、うん十年前、結婚して日本で家を建てる際に、欧米の輸入雑貨や家具で素敵なものが全く見つけられず、

「なぜ日本には素敵で、なおかつ手に届く価格帯の欧米家具や雑貨が少ないんだろう。。。」

と思ったことが、サラグレースを開いたきっかけのひとつでもありました。

当時は、オンラインショップで買い物すること自体も今のように当たり前の時代ではなかったですし、そもそもヨーロッパから輸入した商品を扱うお店もとても少なく、とてつもなくお値段が高かったと記憶しています。

サラグレースを始めて約15年。時代は変わり、前述の通り、なんでも簡単に手に入る時代になりました。

私が若かった頃のバブルの時代と違って、日本の経済力や国力は、悲しいかな、右肩下がりの傾向にあり、欧米はもちろんのこと、アジアに行っても、モノの値段が「高い」と感じることも多くなりました。

そんな中で、私たちが見直そうとしているのは、「日本でのモノづくり」です。



海外の輸入品を扱っていると、日本人のきめ細かさや、丁寧さ、日本製のもののクォリティの高さをしみじみと感じることが多いです。

そこで、サラグレースにしては珍しく、日本でのモノづくりに挑戦してみよう、ということになり、まずは、食器を作ってみよう!となったわけです。(私が勝手に決めたんですけどね)

そして、早速、先日、佐賀、長崎を訪れ、有田焼、波佐見焼などの窯元さんを巡る旅をしました。



サラグレースが和食器を作る、ということではなく、サラグレースらしい洋風の雰囲気と、日本の陶磁器の窯元さんとコラボで何か作れないかを検討しています。

窯元さんを巡る中で、日本の技術や伝統の火が失われそうになっている現実も目の当たりにしました。



また、某大手企業さんの、某商品が、「検品」と言う名のもとに、虫眼鏡で見ないとわからないような汚れや傷を理由に、想像を絶する量で大量破棄されている現場も目撃してしまいました。

手でものづくりをすれば、土の中の成分や焼き具合で、少しの傷や汚れが付くのは当たり前。

本当にこんな消費行動が正しいのか、と自問自答する旅でもありました。

なんでも、安く、安く、大量に・・・といういまの時代の流れに逆行するかもしれませんが、丁寧で、心のこもった手仕事やモノづくりを絶やすべきではない。そんな「良いもの」を「大切に使っていく」ことこそが、この時代に求められるものなのではないかなあ、と自分自身も反省し、深く考えさせられた旅でもありました。

余談ですが、最近大人気の波佐見焼の長崎での昼食は、長崎ちゃんぽんとお寿司がセットになっていて目が点になりました。


「えー、こんなの食べきれませーん」

とぶりっ子しましたが、余裕で全部たいらげました。お恥ずかしながら、某チェーン店でしか長崎ちゃんぽんは食べたことがなかった私。本場のちゃんぽんは、魚介出汁がしっかりきいたあっさり味ながら奥が深い、流石の味でした!

とりとめもなく書いてしまいましたが、果たしてどんな食器が出来上がるでしょうか?

みなさまどうぞお楽しみになさってくださいね。私も楽しみです!

Profile

黒川 早織
Saori Kurokawa
サラグレースオーナー
通訳・翻訳の仕事を経て、フレンチスタイルのインテリア雑貨を販売するオンラインショップを始める。のちに、青山、自由が丘、神戸など、実店舗をオープン。長い海外生活と、10年以上にわたるヨーロッパへの買い付けの経験をもとに培った独特のセンスと世界観が人気。