
年齢を重ねてくると、物の価値感や自分の楽しみの嗜好が変わってきます。
若いころは、ファッション、仕事、娯楽、などが興味の中心だった気がしますが、この年齢になり、人生の折り返しもかなり過ぎたこの時点になると、若いころとは違った暮らしの愉しみや趣味などが生まれてくるものです。
最近、私は、特にお庭や観葉植物など、花や緑に大きな関心を寄せるようになりました。
きっかけは、3年ほど前に少し体調を崩してしまったことでした。
体も心も少し疲れてしまっていた時に、箱根、伊豆、八ヶ岳など、夫が自然豊かな場所にたくさんつれていってくれたのですが、その際に、緑の中を車で走るだけで、何とも言えない安らぎや癒しを感じた自分がいました。自分の居場所に戻ってきたような不思議な感覚でした。
そこで、「おうちの中をジャングルみたいに緑でいっぱいにしたい」
とか、
「これまであまりお世話してこなかったお庭をもっときれいにしたい」
と目覚めたのでした。
私は、熱しやすく冷めやすいタイプなので、夢中になってみたけれど、いつのまにかそれを忘れいている・・・といったことがよくあります。でも、この緑やお花を愛でる情熱は、強くなるばかりで、冷めることは、今のところありません。
ですので、温かくなり、春がやってきた今、小さな小さな猫の額のようなお庭を眺めたり、植物のお手入れをしたりすることが日々の愉しみとなりました。
私はインテリア同様、お庭のお花も無意識にホワイトを選ぶことが多く、この春も白いお花がいくつか咲いています。
この季節に定番のクリスマスローズ

もうこの時点で終わりに近づいていますが、白いチューリップ。

こぼれ種で次々と咲くオルラヤ。

南アフリカのお花ホワイトフェアリー。

ちらちらとかわいいお花を咲かせるイベリス。

といった感じで、毎朝こういうお花たちの姿を眺めたり、お水をあげたりする、という、昔の私にはなかった趣味が増えました。
植物は、動物のように脳があるわけでもないのに、特定の季節になると芽を出し、花を咲かせ、種を作り、葉を落とし、と生命の営みを淡々と続けます。
大げさですが、こうした自然や生命の不思議を見るととても謙虚な気持ちになれるのです。
この日は、もう冬の花のビオラたちが終わりそうだったので、摘んできてコップにさしてあげました。

こうやって、お花をお仕事のおともにすると、ちょっとだけさわやかな気分に。

最近は日本でも温暖化が進み、春と秋がとても短く感じます。夏になると酷暑と蚊の猛攻撃で庭に出るのもままならくなります。
今のうちに、お庭を楽しみたいと思っています。
Profile
- 黒川 早織
- Saori Kurokawa
- サラグレースオーナー
- 通訳・翻訳の仕事を経て、フレンチスタイルのインテリア雑貨を販売するオンラインショップを始める。のちに、青山、自由が丘、神戸など、実店舗をオープン。長い海外生活と、10年以上にわたるヨーロッパへの買い付けの経験をもとに培った独特のセンスと世界観が人気。