
季節が移り変わり、気づけば年末が近づいてきました。
この時期は、新しい年を迎えるにあたり、身の回りのものを整理したくなる季節でもあります
私も、まだ暑さが残る10月に少しだけ物の整理を行いました。特に、お庭の植木鉢とキッチンの食器類、ガラス類を重点的に見直しました。
実は、私は5年ごとに大規模な「断捨離」を実行する習慣がありますが、たった5年でこれほどまでに物が溜まるとは驚きです。
インテリアショップを運営している立場からすると、「断捨離」の話をするのは少し矛盾しているかもしれません。
どちらかと言えば、皆さんにはもっと物を買っていただきたいと思っています。
しかし、物を捨てることを推奨しているのではなく、整理するプロセスを通じて自分自身を見つめ直し、これから何を「持つべきか」を考えることに意味があると感じています。
片付けのカリスマ「こんまりさん」が以前おっしゃっていた言葉が心に残っています。
「片付けとは何を捨てるかではなく、何を残すかを決めること」。
この考え方には目から鱗が落ちる思いでした。
「何を持つか」を選ぶ際に、こんまりさんは「心がときめくもの」を残すことを提唱し、多くの人々に支持されています。
私もその考え方には賛同しますが、私なりの解釈として「心がときめくもの」とは「自分のスタイルに合ったもの」であると考えています。
先日のコラムでも触れましたが、ファッションでは自分のスタイルを確立している方が多い一方で、「暮らし」の中のインテリアについてはスタイルが定まっていない方も多いと感じます。
私は30代でサラグレースを始めました。「素敵な物をお客様に提供したい」という思いが商品選びの基準ですが、
お客様の好みや価格も重要な要素です。特に最近の物価高では、「価格」が購買意欲に大きく影響します。
そのため、低価格で素敵なものを提供することが求められることもあります。
しかし、多くの場合、本当に良いものや素敵なものには作者の手間や思いが込められており、決して安価ではありません。
私自身も年齢を重ねるにつれて、「安いものをたくさん」よりも「厳選された良いものを少量」持ちたいと思うようになりました。
このような観点から、自分が何を持ち、どのように暮らしていくのか、自分自身のスタイルとは何かを考えながら物を整理するプロセスは、人生の節目で必要不可欠だと感じる今日この頃です。
Profile
- 黒川 早織
- Saori Kurokawa
- サラグレースオーナー
- 通訳・翻訳の仕事を経て、フレンチスタイルのインテリア雑貨を販売するオンラインショップを始める。のちに、青山、自由が丘、神戸など、実店舗をオープン。長い海外生活と、10年以上にわたるヨーロッパへの買い付けの経験をもとに培った独特のセンスと世界観が人気。


