以前に、食器を日本で作ることを検討していることを、こちらのコラムで書きました。
そして、今、家具のコレクションを日本で作ろうという取り組みが始まっています。
サラグレースはもともと、海外の製品をセレクトし、輸入販売することを生業としてきました。
今もそれは全く変わっておりませんが、最近、「日本でのものづくり」を積極的に考えるようになってきました。
海外には、日本にはない素敵なものがたくさんあります。
特に、サラグレースをオープンした15年ほど前は、海外のものを購入することが今ほど容易ではありませんでした。
でも、今は、海外のものを扱うお店も増え、またインターネットでなんでも手に入る時代になってきました。
一方で、昨今の円安の進行で、海外製品は高くなるばかり。なのに、正直、クォリティがなかなか伴わないということもあります。
そんな中で、クォリティと価格のバランスがとれ、尚且つ日本のお客様にご満足いただける商品を提供するにはどうしたらよいか、と考えるようになり、日本で「ものづくりをしてみよう」!と思い立ったわけです。
日本でものづくりをすることの圧倒的な利点は、そのクォリティの高さと日本人の好みやサイズ感に合ったものを作ることができる柔軟性です。
そこでサラグレーススタイルの家具を作ることができる工場がないか、ずっと探してきました。
日本では、サラグレースで販売しているようなクラシカルなスタイルの家具を作れる工場がほとんど残っておらず、探すのにはとても時間がかかりました。
諦めかけていた頃、クラシカルなデザインの家具を作ることができる日本でも珍しい工場と昨年ご縁がつながり、サラグレースの家具を作っていただくことになったのです。
1年以上かけて、試作品が完成し、先日その家具が北海道旭川で行われた「デザインウィーク」でお披露目されました。
シンプルな中にもクラシカルなアクセントが光るデザインにし、マンションや、今時の住宅に合うような、少し削ぎ落としたフォルムにこだわってみました。
セミオーダーメイドで、色や取っ手のデザインが選べるようにする予定です。
北海道では、工場の小さなショールームに飾られたサラグレースの家具に、私とバイヤーで邪魔にならないよう、控えめに、サラグレースの商品を飾らせていただきました。
これから皆様にこれらの家具をご紹介し、販売していける日が来ることを心待ちにしています。
皆様も、ぜひお楽しみになさってくださいね。
Profile
- 黒川 早織
- Saori Kurokawa
- サラグレースオーナー
- 通訳・翻訳の仕事を経て、フレンチスタイルのインテリア雑貨を販売するオンラインショップを始める。のちに、青山、自由が丘、神戸など、実店舗をオープン。長い海外生活と、10年以上にわたるヨーロッパへの買い付けの経験をもとに培った独特のセンスと世界観が人気。